2019年2月19日火曜日

  あいおい損保・西武・全日空職場革新懇主催
  「命と平和が宝」~みんなで考える

2月15日(金)東京豊島区大塚のラパスホールで、「労働者の命と生活の安全が守られてこそ、企業の社会的責任が発揮できる」第二弾として、3職場革新懇共同の集いを開催しました。さまざまな分野から60名を超える参加でした。

◆ 過労死のない社会、それが私たちの願いです
 東京過労死を考える家族の会 過労死遺児交流会 代表
                 渡辺 しのぶさん
・2000年6月、電機メーカーに勤務していた夫(40歳)を突然、過労死(脳溢血)で亡くしました。
・夫は大学では、水力・火力・原子力に頼らない新エネルギー発電の研究をしていました。技術者として電機メーカーに就職、会社では新しい発電技術をアメリカから導入するための日本では初めてのプロジェクトに従事していました。
・朝6時半の家を出て、夜10時半まで会社、帰りは終電、帰宅は日付が変わってから。土曜も出勤、日曜日もパワーポイントなど翌日のための資料作り。一週間当たりの残業時間は30,45時間、いくら働いても仕事が終わらないのでした。
.その日は出張で直帰で自宅に戻りました。3歳と10歳の娘に絵本を読んでいるとき突然意識を失いました。救急車を呼ぶも手遅れでした。私に代わって救急に連絡した長女は「もっと早く救急車を呼べば・・」と自分を責め、しばらく不登校になりました。
・会社の上司に「これだけ働いていたので過労死ですよね」と聞きました。「みんな、同じように働いています。ご主人だけ亡くなったのです」「弁護士とも相談したが過労死ではありません」これが会社の回答でした。え!夫が悪いというの?あれだけ頑張って働いていたのに。とても許せませんでした。
・しかし、労災の申請、認定のための手続きにはたくさんの労苦が伴います。働きすぎが原因で亡くなったときは、遺族が申請することになりますが、労働実態や労働時間を調べることがとても難しいのです。「裁量労働」制のため会社に労働時間の記録もないのです。したがって労災申請もできない人がたくさんいます。
・労災認定されても亡くなった人は戻ってきません。母子家庭となります。労災と認められるまでの労力により病気になったり、うつ病になったり。何よりも残された子供が過労死をなかなか受け入れられない、不登校、家庭内暴力など「過労死遺児」たちに与える問題は深刻です。
・厚労省の「過労死白書」での脳・心臓疾患による労災件数、精神疾患による労災件数ともに増加傾向にあります。特に近年は若い人の労災被災者が増加しています。長時間労働・パワハラ・モラハラで身体も心も壊れているのです。
・先の「働き方改革」の国会では、政府の企画業務型裁量労働制の対象業務の追加法案は取り下げさせましたが、さらに過労死を招く「高度プロフェショナル制度」は2019年4月施行となりました。
・過労死は人災です。家族会はこれまで、衆参公聴会での発言、官邸前座り込み、国会前行動など様々な反対行動を行ってきています。過労死のない社会、それが私たちの願いです。「過労死遺児」を二度と出してはなりません。

・皆さんからのお問い合わせはぜひお近くの家族の会にお寄せください。
  東京過労死を考える家族の会(東京駿河台法律事務所 03-3234-9143)
  神奈川過労死を考える家族の会(神奈川総合法律事務所 045-222-4401)
  過労死家族の会ホームページ → 全国過労死家族の会  

講演で使用されたパワーポイントは、こちらでご覧になれます。
 こちらをクリックしてください → パワーポイント 16コマ

◆ "人権を大事にするコスタリカ”昭和歌謡にのせて
  ~ 楽団ひとり さん (元第一勧銀支店長 海外拠点要職歴任)
アメイジング・グレイスから始まった冒頭のミニコンサート、ダニーボーイ、アベマリアなどなんとも言えない心地よいものでした。川田正子の歌った「里の秋」、きれいな童謡と思っていたが、戦争に出た父の帰りをただひたすら待ち続ける悲しみの歌であったと、目にうろこでした。
・軍隊を持たず、「平和」の先進国として、世界で唯一の非武装・永世中立を守り抜いている真の人権尊重国家、コスタリカを何度も訪れている楽団ひとりさん、活動の幅が実に広い。
・安倍首相が「2020年までに、憲法に自衛隊明記する」と述べているのに対し、自衛隊は憲法違反であり「2020年まで自衛隊を廃止する」という楽団ひとりさん、活動に裏打ちされた説得力が感じられる。
・戦争による女の哀しみを唄った「星の流れに」と淡谷のりこにまつわるエピソードも興味深く、橋幸夫の「潮来笠」ではつい一緒に口ずさんでしまった。

◆ 未来に広がる人々との繋がり

会場には、コスタリカの会、合唱団この灯、世田谷六町の会、人間講座、戦場体験を受け継ぐということ(高文研)著者の遠藤美幸さんなど、いろいろな分野からの参加がありました。それぞれの想いや願いを幅広いひとびとと共有し、その実現のために一歩踏み出していくことの大切さを実感することができた「宝となるつどい」となりました。(NK)

詳しくは「損保9条の会あいおい」のページでご覧ください。
こちらをクリックしてください → 損保9条の会あいおい

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