2021年12月26日日曜日

 

森友改ざん訴訟の認諾終結に対し強く抗議します

                    あいおい損保職場革新懇

森友学園問題で公文書改ざんを強いられ自死した、近畿財務局職員赤木俊夫さんの妻雅子さんが、夫の自死の真相解明を目的として国に損害賠償を求めた訴訟は15日、国が雅子さんの請求を「認諾する」と伝え突如として終結しました。この「認諾」によって、裁判において俊夫さん自死の真相解明の道は閉ざされ、雅子さんは直ちに「認諾」は認められないとの抗議の手紙を財務省に手渡しました。あいおい損保職場革新懇は雅子さんの抗議を支持し、「認諾」を強行した岸田首相に対し強く抗議するものです。

赤木俊夫さんが自死した2年後の昨年3月、妻の雅子さんは「夫が何故自死したのか知りたい」との思いからその真相解明を求め、国と佐川宣寿・元財務省理財局長を相手として損害賠償請求を提訴しました。国は当初から一貫して請求の棄却を求め、赤木ファイルの提出や、公務災害認定に関する書類の提出を拒み続けてきましたが、その関門は次々に打ち破られてきました。この時期に国が請求の棄却から「認諾」へ態度を一転させた真意は、このまま裁判を継続すれば、赤木俊夫さんの自死の真相が解明され、安倍政権のもとで引き起こされた森友学園問題の真相が白日の下にさらされること、ひいて同じ安倍政権のもとで発生し未だ真相が解明されていない、加計学園問題、桜を見る会の問題へと波及することを危惧したことに他なりません。

衆議院総選挙で予想外の勝利を得た自民党は、それが薄氷を踏むような勝利であったことを強く認識しているからこそ、総選挙後メディアを総動員した野党共闘攻撃、反共攻撃に狂奔し、政権基盤の強化を図っているのです。自民党と岸田内閣にとって、安倍政権から引き継いできた森加計さくらの負の遺産については、臨時国会における野党の追及に対し既に終わった問題だとして説明を拒み続けています。その中でも世間の関心が最も高い森友学園の公文書改ざん問題では、上述の如く裁判で追い詰められてきました。このまますすめば安倍元総理、麻生前財務相の進退問題にも波及しかねない自民党にとっては重大事態が予測され、政権基盤が危機に陥る怖れがあり、いかなる手段を弄しても、森友裁判の終結を強行せざるを得なかったと思われます。

この「認諾」はまるで札束で人の頬を叩くような、赤木俊夫さん、雅子さんの尊厳を踏みにじる行為であり断じて許すことはできません。「ストップ過労死」をスローガンに掲げ、「過労死」問題の支援に取り組んできたあいおい損保職場革新懇は、まだ継続中の佐川宣寿元財務相理財局長に対する裁判を支援するとともに、森友学園公文書改ざんの真相解明に向け第三者委員会の設置等の支援に引き続きと取り組んでいくことを誓い、「認諾」による幕引きに強く抗議します。